2012年10月30日火曜日

いい買い物(彫刻―4)

横浜での仕事の帰りに、新橋で電車を降りて
「銀座たくみ」という民藝品を売る店にふらりと立ち寄った。
ここでは以前に、座布団のカバーを買ったことがある。
今日はその店の二階で「東北の民藝展」という展示をやっていた。

銀座たくみ:

そこでちょっといい買い物をした。それは紙張り子のお面の未完成品。
一個525円。え?安いじゃん!全部買っときゃ良かったと店を出たあと後悔もしたが、
まあ仕方がない。

彩色を施す前のむき出しのくすんだ和紙の肌合いが、
なんともいえずいい味を醸し出している。う〜ん、素朴でいいなあ。


6個あるうち、キツネを選んだ。






















家に持ち帰って撮影。
フォルムもまた味があっていいんだなあ。




彫刻科主任 古池潤也 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/F00003/

2012年10月27日土曜日

美大での大学祭真っ盛り!(工芸科-4)

10月下旬から11月にかけては、女子美、武蔵野美大、多摩美大と
それぞれの美大での大学祭が目白押しです。

多摩美大は11月2日(金)から4日(日)までの3日間、
八王子キャンパスで開催されます。

模擬店を始め、各科の学生作品が各ギャラリーを中心に展示されます。
工芸学科は工芸棟1階のギャラリー展示から
2階では工芸学科の陶・ガラス・金属の学生が各専攻の
素材を使って手作りの小物作品を展示即売します。

格安価格で販売するそうで、掘り出し物も見つかるはず。
大学のオープンキャンパスとは違う大学の雰囲気を楽しみに見学するのもいいでしょう。

















多摩美大芸術祭公式サイト http://www.tau-geisai.com

受験部総合主任・工芸科主任 藤田政利 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/G00002/

2012年10月26日金曜日

2012年OCHABI 講師展開催!!

期間:2012年11月8日(木)~11月21日(水)
時間:10:00~18:00(最終日17:00終了)
ギャラリートーク11月17日(土)12:30~14:00
で開催します。

日頃、学生指導に情熱を燃やしている講師たちは、
作家としても活躍しています。
日常の創作活動から生まれた作品は「人」
そのものを表わしています。
 
OCHABI講師展は今回で4回目を迎えることとなりました。
私たちの作品とギャラリートークを通じて
相互の理解と信頼を深め、絆をより確かなものにすることに思いをこめた催しとして、
意義あるものにしていきたいと思っています。

高校の先生方や保護者の皆様方にもおいでいただき、
ご批評を賜りますようお待ちいたしております。


2012年10月24日水曜日

美術館めぐり(彫刻ー3)

1021日、快晴。
休みを利用して、有志の学生と、彫刻及び基礎強化兼任の松本先生とで、美術館めぐりをした。

10時に、青山にある岡本太郎記念館に集合。
我々以外にも、お客さんがひっきりなしに来ていたので、その人気の高さに改めて驚いた。

そこで、先日の五美大説明会で多摩美彫刻学科教授の水上先生から頂いたDMの作家、関口光太郎さんの作品を観た。新聞紙とガムテープで立体作品を作るユニークな作家だ。前から作品は知っていて気になっていたので、本物を観ることができて良かった。




























関口光太郎「ヒーローズ」(〜10/28まで):

また、場所が岡本太郎の居住跡だったので、その点も興味深かった。あれだけのビッグネームにしては、意外とこじんまりしたところに住んでたんだなと思い、好感を持った。

次に、小平市平櫛田中美術館へと向かった。その道中、武蔵小金井にあるカレー屋で昼食。野菜カレーで有名な店だ。結構な量と辛さに、学生は精神力が鍛えられたであろう。腹ごなしに国分寺まで歩いて、そこから西武多摩湖線で一駅、一橋学園で下車。

小平市平櫛田中美術館については、前のブログで紹介したので詳しくは書かない。こちらも最終日だったせいか、マイナーな場所にある割にはたくさんの人が来館していた。






















この頃になると、僕はもうヘトヘトになっていた。
最後に国分寺に戻って、これまた五美大説明会でおなじみになった日大彫刻コース助教授の冨井大裕さんの個展に足を運んだ。

冨井大裕「衣服」(〜11/3まで):

以上で、終了。
みんなも休みの日には美術館へ行こう。今のうちにいろいろ観て、センスを磨いとくといいよ!

彫刻科主任 古池潤也 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/F00003/
 

もう何十年も前のこと(基礎部‐1)

もう何十年も前のこと。
美術予備校に始めていった日に、
「かきかたより、みかたが大事だから。」と言われました。
「そんなこと、言われたって!」
結局、初めはどう描くのかという事ばかり気になっていた様な記憶があります。

ケータイで『みる』を変換すると、『見る』、『診る』、『視る』、『看る』、『観る』。
『見る』以外は何か特別念入りな感じ。
こちらの意識が試されているってことか!





私は『観る』で、みているつもり。







基礎部主任 陰里寿朗 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/H00001/

2012年10月23日火曜日

フジテレビ放映中の「テラスハウス」を見て見よう!(工芸ー3)

現在放映中のフジテレビ毎週金曜日23:00~23:30の時間帯の
「テラスハウス」。
19歳から25歳の男女6人が一軒家の屋根の下、
シェアハウスに住みながらくり広がるいろいろなドキュメンタリードラマ。

その6名中の一人がOCHABIのデザイン工芸科 
工芸コース講師の中津川翔太先生。テレビでも実名で登場です。
現在、東京藝術大学工芸科4年在学、漆芸専攻です。

初回放送からOCHABIでの中津川先生の指導風景が映りました。
6人のそれぞれのドラマが今後どのように展開するか、興味しんしんです。


受験部総合主任・工芸科主任 藤田政利 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/G00002/

橋本平八について(彫刻ー2)

橋本平八(18971935)は明治から昭和の初めにかけての人で、38歳という若さで世を去った知る人ぞ知る日本の彫刻家だ。

僕が最初に橋本平八を知ったのは美大に入って間もなくのころ、何の予備知識もなく大学内の陳列館で「花園に遊ぶ天女(1930)」を生で見た時だ。他にも違う彫刻が展示してあったはずだが、それだけを覚えているから相当なインパクトがあったことだけは確かだ。
で、パッと見、体形も顔ももろ日本人だし、髪の毛はジョージ秋山の漫画を思い起こさせるおどろおどろしいもので、「なんか怖いなぁ…」と思った。さらに近づいてよく観ると、表面に刺青のような、装飾的な模様が細かく彫ってあった。今度は、「う~ん、こりゃなんか込めてるな、マジだな…!」と思った。体内にお経を書いた紙などがしまいこまれている仏像があったりするけど、それと似たものを感じた。

そのときはそれっきりでなんとなく時は過ぎていったのだが、その後、ただの石ころを木で模刻しただけの「石に就て(1928)」という作品、さらに牛に似た形の石を見つけそれをそのまま木に置き換えただけの「牛(1934)」という作品を知るに至り、この人はただもんじゃないと確信した。
つまり自然物に生命を感じるという日本の原始宗教、いわゆるアニミズムに接近していったということ。この時代、自分の彫刻を短い生涯のうちに一途に追求していったあげく、西洋の模倣に甘んじた作風に陥ることなく、ごく自然にこのような次元に達した作家は稀なのではないか。
芸術家の早世と、遺された作品の統一感のある凝縮された世界観との関係は、不思議と前もって決められていたかのようだ。

「花園に遊ぶ天女」「牛」

「石に就て」

彫刻科主任 古池潤也 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/F00003/

日本画って知ってますか?(日本画-1)

日本画って言うと、雪舟や長谷川等伯(松林図)に代表される水墨画を連想する人がいるけど、現代の日本画は、和紙に岩絵具を膠水で定着させて描いていきます。

岩絵の具(いわえのぐ)というのは色素を持った鉱物や岩石を砕いて粉状にしたもので、それだけでは和紙に定着しないので膠(にかわ)で練って、水で好みの濃度にして使用しますが、下書きの線画に使ったり下塗りに使ったりもします。

花鳥風月の具象だけでなく抽象的な作品を描いている作家もいます。
古くは石や土壁に描いたり、麻布・絹・木や板に描いたりもしました。
和紙の材料は、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)で、
証券類や紙幣に使われる丈夫な紙です。
また金銀泥や箔を使用した、障壁画等も、
安土桃山から江戸時代の狩野派や琳派の作品に多く見られます。

最近、その日本画が人気で琳派の展覧会等には大勢の
人がやってきて大賑わいでした。

そんな日本画を本格的にやってみたいという人には
各美大の日本画科が待っています。


日本画科授業風景













日本画科主任川畑 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/F00046/

2012年10月22日月曜日

芸大・美大受験説明会開催

10月27日(土)13:45~17:00
芸大・美大受験説明会が開催されます。

プログラムは
①芸大・美大を出たら何になれる?
②まず芸大・美大を知ろう!
③芸大・美大受験の勉強方法は?
④芸大・美大受験のOCHABIアトリエを見てみよう!
⑤相談会。

その他、合格者作品展などが開催されます。
参加費は無料。
当日3日前までに、電話・FAX・受付にてお申し込みください。

ぜひ芸大・美大受験に興味のある方はご参加ください。

2012年10月18日木曜日

「東京国立近代美術館 工芸館での特別観覧」(工芸-2)

先日、工芸科は竹橋にある東京国立近代美術館・工芸館にて
美術館見学と特別観覧を行いました。

2階では「現代の座標・工芸をめぐる11の思考」と題した企画展(12 2日まで)
も開催中で、現在活躍中の中堅工芸作家が各素材で工芸独自の世界を繰り広げていました。

企画展を観た後、1階の会議室で、工芸科学生が工芸館収蔵作品の中から、事前に自分が見てみたい工芸作品を選んでの特別観覧を行いました。















黒田辰秋の螺鈿の飾箱・大木秀春の蝉の彫金作品など7点ほどを目の前で観覧し、
手袋をはめての作品に触れてガラスケース越しの観賞とは違う、
身近に工芸作品と触れあうことができました。




















興味のある素材や作品に触れ、一層工芸に対する造詣が増した一日でした。

受験部総合主任・工芸科主任 藤田政利 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/G00002/

フェルメール(油絵科-1)

昨今のフェルメール人気は物凄い。
先ごろマウリッツハイス美術館展の人出には驚いた。
ごく一般の老若男女が美術館の外まで長蛇の列。
みんなの目標は青いターバンの美少女ただ一点。

暗い会場のスポットライトに浮かび上がった「真珠の首飾りの少女」。
ラピスラズリで描かれたターバンの美しさ。
真珠の首飾りのリアリティは流石だが、何と言っても少女の表情が一番印象的である。
こちらを見つめる大きな瞳、かすかに空いた口元。
眉毛のない顔も神秘的だ。

昨今、100200号の大きな作品を見慣れているものにとって、
小さな絵の大きな存在感がとても新鮮だった。
残っている絵が非常に少なく、ほとんどが小品だ。
宝石のように美しい色彩。なぞの多い生涯等、ロマン満ちていることが一層人気を駆りたてているのだろう。






















以前は、通の人たちのとっておきの画家だった。
これほどまでに知られていなかったのに・・・。
密やかに楽しんでいたものが公になってしまったようで残念な気もする。

油絵科主任 山本耕造 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/F00002/

2012年10月17日水曜日

作品をみて(彫刻科-1)

芸術の秋。ちょっと前だが、テレビを見ていたらNHKのアートシーンで、
彫刻家の平櫛田中(ひらくしでんちゅう)の作品が紹介されていた。
中でも「原翁間日」という作品には驚いた。

すげーリアル!しかも小さい!
これを見るだけでも行く価値はあるでしょう。
小平市平櫛田中彫刻美術館、10/21まで。会期中無休。

小平市平櫛田中彫刻美術館
 http://denchu-museum.jp/sakuhin

「原翁間日」(1940年)

http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/catalogue/hirakushi_denchu/haraoukanjitsu.jpg

彫刻科主任 古池潤也 http://goo.gl/oTwUv

2012年10月14日日曜日

工芸って知ってる?(工芸-1)

貴方は工芸という言葉は聞いたことありますか?
そして、聞いたことある方は工芸と聞いてどのようなイメージをお持ちですか?
伝統的な・・とか、何か古めかしい・・とか、手作りの食器とか・・
いろいろなイメージがあるかもしれません。

そのどれもが工芸の一断面かも知れませんが、
実はもっといろいろな内容を含んでいます。
工芸の範疇は、生活空間の中の実用工芸品に限らず、
オブジェとしての作品、高さ数メートルの大きな作品から数センチ
の小さなジュエリーまで実に幅が広いのです。

この写真の作品は、東京芸大工芸科学生の作品です。
素材は銀です。2年生のときの課題で制作しました。
初めて金属と触れて制作した彫金の銀カップです。


















工芸で扱う素材は色々あって、金属のほかに
陶芸・染織、漆、ガラス、木工など多岐にわたります。
それぞれの素材の持ち味や特徴を理解し、その素材の加工技術を習得して、
自分の手で作って初めて作品が成立します。
その素材を使いこなし、その素材との対話を通して、工芸の作り手として成立するのです。

出来あがった作品を前にすると、完成した達成感は何よりにもかえられません。

貴方の工芸のイメージをもっと広げて工芸の可能性を理解していただければ幸いと思います。

受験部総合主任・工芸科主任 藤田政利 http://www.ochabi.ac.jp/gakuin/view/G00002/

2012年10月1日月曜日

センター試験出願開始!!

10月1日(月)~10月12日(金)で
大学入試センター試験の出願期間となります。

受験生にとって、とても大事な試験です。
出願期間はわずか2週間しかないので、
しっかりと受験案内(願書)を読んで、
漏れ、間違いのないようにしましょう!


受験案内(願書)は、ochabi2F受付に置いてあります。